人生で古い記憶
以前のお題で、「人生で一番古い記憶」というのがありました。今更ですが、思い出した事があります。
多分5歳頃だと思います。
父の散髪について行った時の事です。
父の散髪中、店内で遊んでいた私は、やがて飽きて外で遊び始めました。
すると道路の反対側に、床屋から散髪を終えて出てきた父が見えたので、私は父の方へ走り出しました。
キキキーーーッ!
もの凄い音がしたので横を見ると、すぐ傍に車が停まっていました。
今でも助手席の女の人が、手で顔を覆っていたのを鮮明に覚えています。
きっと轢いたと思ったのでしょうね。
当時の私は状況が分からず、ただ驚いただけで又、父の元へ走って行きました。
道路を飛び出したけど、かすり傷一つ負わず、運が良かった思い出です。
長い間、そう思っていました。でもそれだけでは、ない気がしてきたのです。
その道路はT字路になっていて、道路の突き当たりには神社があります。床屋は、その神社の近くにありました。
私は、氏神様が子供がケガしないように、車をギリギリの所で止めて下さったのでは、と思うようになりました。
偶然かもしれませんが、大人になって私はその神社に、ケガしなかった御礼に行きました。
あの時の床屋は、もうありません。子供の頃は広いと思っていた道路も、普通の幅でした。